タクくんの詩
●蹴る
「こっちにおいで」
「蹴るから行かない」
「蹴らないからおいで」
「絶対蹴らないでよ」
「蹴らないからおいで」
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「痛い。やっぱり蹴った」
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●読書
「今読んでる本、面白い?」
「うん」
「本の内容がちゃんと分かっているのか調べます。
後で読書感想文を書きなさい」
●猫
「ただいまー。ぼくの猫は」
「お父さんが捨てたよ」
●野球
「野球をしてきなさい」
「嫌だよー」
「男の子はみんな野球をするものです。『ぼくも仲間に入れてください』
と頼んで野球をしてきなさい」
「嫌だよー」
「早く行かないとたたくよ」
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「ぼくも仲間に入れてください」
「遠くに飛んでいって無くなったボールを捜すのならいいよ。する?」
「うんする」
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「ほら、野球は面白かったでしょう」
「うん」
●おこずかい
「おこずかいで何買ってきたの?」
「粉ジュース」
「家に同じようなジュースがあったでしょう。罰として、今日一日、家の中に入れません」
●宿題
「宿題を学校に忘れてきた」
「明日の朝、まだ暗いうちに、誰にも見つからないように学校に忍び込んで、
教室か職員室から取ってきなさい」
●おもちゃ
「誕生日だからおもちゃを買って」
「嫌な子だねえ。なんでおもちゃを欲しがるんだろう。
おもちゃなんかで遊ばないで勉強すればいいのに」
●町内小学生相撲大会
「どうしてビ○コになんかに負けたの。本当に嫌な子だよ。この子は」
●図工
「この子は図工だけしか成績が良くないんです。
物を作ったり絵を描いたりするのは上手いのだけど、
頭が悪いから国語と算数が出来ないんです」
●蓄膿
「この子は勉強が出来ないんです。私も夫も成績は優秀だったんです。
私の兄は蓄膿を直したら成績が上がりました。
この子も蓄膿だと思います。調べてください」
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「蓄膿ではありません」
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「ここはやぶ医者かもしれない。来週は他の病院で見てもらいます」
●お湯
「おまえが勉強が出来ないので、おれは毎日恥をかいているんだ。
ストーブの上のやかんが沸騰しているな。よし、これをおまえの頭にかけてやる」
「ギャーやめて」
「そんなことをしたら死んでしまうでしょ。やめてください」
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「今回だけは許してやる」
●お父さん
お父さんは、夜ぼくが寝ていると頭を蹴りに来る。
その瞬間、ぼくはしばらく目が見えなくなる。
ある日、ぼくが寝ているお父さんの顔のそばに立っていると、
お父さんはビクッとして飛び起きた。
ぼくは蹴らないのに。